
ルート営業をしていると、一度は経験するのが“クレーム対応”です。
「え、なんでこっちが謝るの?」「自分は悪くないのに…」
そんな納得できないクレームもありますよね。
でも、そこでただ謝るだけで終わってしまうと、お客様との関係はどんどん冷えていきます。
中には、クレームをきっかけに取引が終了してしまった…なんてケースも珍しくありません。
実際、私自身もルート営業の現場で数々のクレームに直面してきました。
一見、些細な連絡ミスや言葉のニュアンスが、大きなトラブルへと発展してしまうことも。
「もうどうすればいいのか分からない…」と頭を抱えた日もありました。
クレーム対応は、“謝罪”がゴールではありません。
本当に大切なのは、「そのあとどうするか」。
対応次第で、信頼を取り戻すどころか、逆に絆が深まることだってあるんです。
この記事では、ルート営業でよくあるクレーム事例や、謝罪だけに頼らない対応術、
さらに、クレームを防ぐための事前準備やメンタルケアの方法まで、実体験と具体例を交えて徹底的にお伝えします。
「クレームが怖い…」「もう二度と同じ失敗をしたくない」
そんなあなたのために、実践的なマニュアルをお届けします。
ぜひ最後まで読んで、今日からの対応に活かしてください!
ルート営業 クレームが発生する本当の理由とは?
ルート営業は「既存のお客様との信頼関係がベースにあるからクレームは少ない」と思われがちですが、実はその“関係性”があるからこそ、クレームが起きやすいとも言えます。
顧客との接触頻度が高いため、何気ないやり取りや一言が、思わぬ誤解や不満を生むケースも少なくありません。「いつも来てくれているからこそ期待していたのに」「言わなくてもわかると思ってたのに」といった“暗黙の期待”が、クレームの火種になることも。
そして、クレームは営業側が悪くなくても発生します。事務処理の連絡タイミング、納品遅れ、伝達ミスなど、社内の別部署が原因であっても、ルート営業が最前線で火消しを求められることがほとんど。営業の立場としては「巻き込まれた」と感じる理不尽さもありますよね。
ただ一つ確かなのは、“対応”こそが信頼の試金石になるということです。クレームは確かにストレスですが、うまく乗り越えれば「またお願いしたい」と言ってもらえるチャンスにもなるのです。
クレームの種類と原因
ルート営業で発生しやすいクレームのパターンをいくつか整理しておきましょう。経験の浅い方はもちろん、ベテランの方でも「あるある」と感じるはずです。
よくあるクレームの種類
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連絡ミス・伝達漏れ
→ 納品日や時間、在庫状況の誤認 -
対応が遅い・不親切
→ 電話やメールの返信が遅い、言い方が冷たく感じた -
商品・サービスの品質トラブル
→ 仕様違い、不具合、使用感の違い -
他部署のミスの巻き添え
→ 請求書の誤送信、事務方の対応に不満 -
態度・表情・言い方などの感情的な指摘
→ 「なんか感じ悪かった」と印象ベースの不満
これらのクレームは、直接的にあなたの落ち度ではない場合も多いです。でも、お客様にとっては「会社の代表=営業担当」なので、クレームの矛先がルート営業に向くのは当然とも言えます。
顧客の怒りの裏にある「本音」とは?
「何もそこまで怒らなくても…」と感じるクレームには、表面化していない“本音”が隠れていることが多いです。
たとえば、「商品が届くのが遅い!」という怒りの裏には、「納期に間に合わず、自分の取引先に迷惑がかかった」というプレッシャーや、「以前も似たことがあった」という蓄積された不満が潜んでいることがあります。
営業としては、“怒りの言葉”の裏にある“困っていること”や“期待していたこと”を汲み取る姿勢が求められます。
本音を見抜き、誠実に向き合えば、表面的な謝罪だけでは届かない“信頼の再構築”が可能になるのです。
営業が原因じゃないクレームもある?
あります。むしろ、意外と多いです。
「事務からの連絡が失礼だった」「納品書の金額が違った」「倉庫からの出荷が遅れた」など、他部署や外注先の対応が原因で、あなたにクレームの電話がかかってくるパターン。
もちろん、「それは自分の責任ではありません」と言いたくなる気持ちは自然です。でも、お客様から見れば“あなたが窓口”なので、担当営業としての対応力が問われます。
こういったケースでは、まず誠意を持って謝罪し、事実確認と社内報告をセットで行うことが鉄則。原因が他部署にある場合でも、「ちゃんと見てくれている」と思ってもらえる対応が信頼維持につながります。
また、社内の関係部署としっかり連携し、同じことが起きないような仕組みづくりを提案していくのも、ルート営業の大切な役割です。
謝るだけではNG!ルート営業 クレーム対応の基本ステップ
「とりあえず謝っとけば丸く収まる」と思っていませんか?
確かに、最初のリアクションとして謝罪は重要です。でも、それだけでは**“また同じことを繰り返す会社”というレッテル**を貼られかねません。
ルート営業においてクレーム対応は「謝罪」+「原因の究明」+「再発防止」+「フォローアップ」の4ステップが基本。この流れを意識することで、お客様の信頼を守りながら、自分自身も冷静に対応できます。
大切なのは、“その場しのぎ”ではなく、“次につながる対応”をすること。
ここでは、実践的なステップごとに解説していきます。
クレーム発生時にまずやるべきこと
クレームが来た瞬間、冷静でいられますか?
頭が真っ白になって、うっかり反論してしまったり、言い訳をしてしまったり…それが事態を悪化させる原因になります。
最初にやるべきことは、とにかく話を「受け止める」ことです。
初動対応の3ステップ
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話を最後まで聞く
遮らずに相手の言葉を聞く。「なるほど…そうだったんですね」と相槌を打ちながら傾聴することで、お客様の怒りも徐々に落ち着いていきます。 -
事実確認を保留しつつ謝罪する
「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません」と、事実の是非に関係なく“気持ち”に対して謝罪するのがポイントです。 -
状況の把握と社内への初期連絡
誰が・いつ・何を・どうしたのかをメモし、必要があれば上司・関係部署にも即連絡。初動での共有が対応スピードと精度を決めます。
これだけでも、相手の印象は大きく変わります。
「ちゃんと話を聞いてくれてる」「この人に任せておけば大丈夫」と思ってもらえるような“信頼の土台”をつくることが、第一歩です。
謝罪の仕方で印象は大きく変わる
謝るときの「言葉選び」や「態度」って、思っている以上にお客様は見ています。
同じ「申し訳ございません」でも、機械的に言うだけでは逆効果になることも。
特にルート営業では、顔なじみのお客様相手だからこそ、“心からの謝罪”が通じやすい反面、“誠意がない”と思われると一発で信用を失います。
印象を良くする謝罪のポイント
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相手の立場に寄り添った言葉を選ぶ
例:「お取引先にもご迷惑をおかけしたとのことで、本当に申し訳なく思っております」 -
表情・声のトーンを意識する
強張った顔や小さな声はNG。落ち着いたトーンで、誠実に話すこと。 -
言い訳をしない
「ですが」「本来はこうでして…」などの弁解は、謝罪の効果をゼロにします。
謝罪は「ゴール」ではなく、「信頼回復への入口」。
謝ることで相手の怒りを受け止め、その先の“解決”に向けて歩み出す準備を整えるものと考えましょう。
メール・電話・訪問…謝罪手段の使い分け
謝罪の手段にも“使いどころ”があります。
全部メールで済ませるのは絶対NG。でも、すべて訪問するのも現実的ではありません。
状況や相手によって、最適な手段を選ぶことが大切です。
| 謝罪手段 | 適している状況 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| メール | 事実関係の確認後の報告や記録を残したいとき | 言葉を選べる・履歴が残る | 本気度が伝わりにくい |
| 電話 | 急ぎの謝罪・一時対応として | 声のトーンで誠意が伝わる | 感情的にこじれると厄介 |
| 訪問 | 重大なミス・長期取引先・関係修復を重視する時 | 誠意・真摯さが伝わりやすい | 段取りに時間と手間がかかる |
基本的には、電話+訪問の組み合わせが最も効果的です。
メールは“記録”用であり、“謝罪の場”にはなりません。
状況に応じて、手段を組み合わせながら最も誠意が伝わる方法を選びましょう。
信頼を失わないためのフォローアップ術
クレーム対応は「謝って終わり」ではありません。
むしろ、本当に大事なのはその後のフォローアップです。
営業の現場では、誠意ある対応をしても「対応したはずなのに、なんかまだモヤモヤしてるな…」という空気が残ってしまうことがありますよね。それは、お客様の「ちゃんと改善されたのか?」「また同じことが起こるんじゃないか?」という不安が残っているからです。
この段階で信頼回復につなげられるかどうかは、**“次の一手”**にかかっています。
ここでは、具体的なアクションや声かけのコツを紹介します。
謝罪後にやるべき3つの行動
クレームの直後にフォローがないと、「あのときの謝罪ってただの形だけだったのかな?」と不信感を抱かれることがあります。
そうならないために、以下の3つの行動を必ず押さえましょう。
① 改善策の報告
「こういう対策をしました」「今後はこのように進めます」といった**“具体的な改善”**を伝えることが重要です。
例:「今回の納期遅れについては、出荷前のチェックフローを1工程追加しました」
単なる「気をつけます」では、二度目のクレームを防げません。
② 時間を置いた確認連絡
対応直後はお客様の気持ちも落ち着いておらず、本音を聞き出すのが難しいことも。
数日~1週間後に「その後、何か気になることはございませんか?」と改めて連絡を入れると、お客様の印象はガラリと変わります。
③ 社内対応のフィードバック
お客様への対応が終わっても、社内で再発しないようにすることも重要。
「〇〇の件、無事に解決しました。こういった対応をしたので、次回からも参考にしてください」と、社内への共有も“信頼構築”の一部です。
この3つを習慣化するだけでも、「あの人に任せておけば安心」と思ってもらえる営業になります。
お客様との関係を修復する声かけ・接し方
クレーム後って、ちょっと気まずい空気、ありますよね。
「次に訪問したとき、どういう顔して会えばいいんだろう…」という不安を持つ営業さん、多いと思います。
でも実は、お客様も「どんな顔してくるのかな」と構えているもの。
だからこそ、**こちらから先に“自然体で接する”**ことが大事です。
修復を進めるためのひと言例
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「前回はご迷惑をおかけしてしまって、改めて申し訳ありませんでした」
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「あの件、〇〇の対応をしたので今後は安心していただけるかと思います」
-
「何かあれば、すぐにおっしゃってくださいね!」
ポイントは、**“蒸し返しすぎず、きちんと触れる”**こと。
なかったことにするより、「ちゃんと向き合ってくれてるな」と伝わる方が印象が良くなります。
クレームから逆に信頼を勝ち取る営業術
クレームは、ある意味では「チャンス」です。
なぜなら、対応がしっかりしていれば、「この営業さんはちゃんとしてる」「何かあってもきちんと対応してくれる」と思ってもらえるからです。
実際、私が担当していたお客様でも、初回はかなり厳しいクレームを受けた方がいました。でも、その後の誠実な対応を重ねるうちに、気づけば「何かあれば、まずあなたに相談するよ」と言っていただけるようになったんです。
信頼を勝ち取るために意識したこと
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クレームの全体像を自分の言葉で社内に説明できるように整理する
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相手の温度感に合わせて連絡頻度や距離感を調整する
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二度と同じことを繰り返さないよう、自分の動きを見直す
「トラブル対応で評価される」って、正直ちょっと不思議ですよね。
でも、それだけ“対応の誠意”が伝わる瞬間でもあるんです。
ルート営業特有のクレーム回避ポイント
ルート営業は「新規開拓と違って、信頼関係があるから楽」と思われがちですが、実はその分だけ**“期待値”も高くなる**傾向があります。
お客様も、「いつも来てる営業なら、わかってくれるはず」と思っていることが多く、少しのミスや認識のズレが思わぬクレームにつながることも。
だからこそ、ルート営業ならではの**「回避スキル」**を持っておくことが重要です。
ここでは、クレームを未然に防ぐための工夫や、顧客タイプごとの対処法をお伝えします。
事前にクレームを防ぐ情報共有とは?
トラブルの多くは、「伝えていると思っていた」「わかっていると思っていた」ことによって起こります。
つまり、“情報のズレ”=クレームの種になるんです。
情報共有で意識したいポイント
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小さな変更も事前に伝える
たとえば「納品日が1日ずれそう」「いつもの担当が不在」など、微妙な変化も事前に共有しておくと信頼を失わずに済みます。 -
共有内容は“相手に合わせて伝える”
マニュアルどおりの説明ではなく、「この人には電話で伝えたほうが早いな」「メールの方が記録が残って安心してもらえるな」と相手に合わせるのがコツ。 -
確認・復唱・メモを徹底する
「伝えたつもり」が一番危険です。必ず「〜ということで大丈夫ですか?」と確認し、メモを残す習慣をつけましょう。
地味なことですが、“あたりまえのことを徹底する営業”は強いです。
その積み重ねが、クレームゼロのルート営業につながっていきます。
顧客の性格タイプ別!トラブル予防法
お客様も十人十色。性格や価値観によって、トラブルの起こりやすさも全然違います。
ここでは、よくある顧客タイプを4つに分けて、トラブルを防ぐための対応法をまとめました。
| 顧客タイプ | 特徴 | クレームの傾向 | 有効な対応策 |
|---|---|---|---|
| 指示型(せっかち・結果重視) | 決断が早く、説明は最小限でOK | 対応の遅れ・曖昧な返事に敏感 | 結論から話す・即レス対応 |
| 慎重型(確認好き・慎重派) | 細かい確認を大事にする | 誤解・説明不足に敏感 | 丁寧な説明・書面で補足 |
| 関係型(人間関係重視) | 雑談や信頼関係を大事にする | 冷たい対応・距離感に不満 | 挨拶・雑談・感謝を忘れない |
| 感情型(気分で動く・波がある) | その日の気分で反応が変わる | 言葉遣いや態度に敏感 | 表情・声のトーンに注意・共感を意識 |
「この人、どのタイプっぽいかな?」と考える癖をつけるだけで、対応力がグッと上がります。
特にルート営業は長く付き合うからこそ、お客様の“性格を読む”力が重要です。
タイプに合わせたちょっとした気遣いが、クレームを未然に防いでくれます。
実際にあったルート営業 クレーム対応事例5選
理論やマニュアルだけでは、クレーム対応のリアルは語れません。
実際の現場では、想定外の事態や感情的な反応が多く、「教科書どおりにいかない…」と悩むこともありますよね。
ここでは、私自身や同業者から聞いた“実際に起きたクレーム対応のケース”をもとに、どう対応し、どんな結果になったのかを5つご紹介します。
ぜひ、現場で活かせるヒントとして参考にしてください。
【例1】電話連絡で商談チャンスを潰した事例
クレーム内容:
事務スタッフが確認の電話を入れた際、取引先のお客様がちょうど接客中。
その電話に対応したせいで商談を逃したとして、営業担当者にクレームが。
対応:
営業本人が即謝罪しつつ、「電話前の確認が不足していた」と説明。
その後、今後の連絡方法をお客様と“事前に取り決める”ようにルールを設定。
結果:
お客様の「今後はこうしてほしい」という要望を叶える形で信頼回復。
「ちゃんと話を聞いてくれた」という安心感があり、関係性は維持された。
【例2】他部署のミスで責任を問われた事例
クレーム内容:
経理部門の請求書ミスにより、金額違いでお客様が困惑。
実際の担当ではない営業に「なんとかしろ」とクレーム。
対応:
事実確認後、営業担当が自ら訪問。
「社内での流れを変えた」と改善策を伝えたうえで、再発防止も約束。
結果:
「ちゃんと自分ごととして動いてくれた」と評価され、むしろ信頼がアップ。
後日、紹介案件をもらえるほど関係が良好に。
【例3】誠意ある対応で取引が継続した事例
クレーム内容:
製品の不具合により、お客様から「これじゃ使い物にならない」と激怒。
返品&返金要求が出され、関係終了の空気に。
対応:
営業が不具合品を即引き取り、技術担当と一緒に再訪問。
原因を明確にし、代替品と追加サポートを提供。さらにお詫びの手紙も手渡し。
結果:
「そこまで対応してくれるなら、もう一度任せてみる」と取引続行。
対応スピードと誠意が評価され、契約はむしろ増加。
【例4】理不尽な要求に冷静対応した事例
クレーム内容:
「ちょっとした遅刻」でお客様が激怒。
明らかに感情的で、言葉も強く、「態度が悪い!」と一方的に非難された。
対応:
営業は反論せず、まず謝罪。
その後「前回のような不快な思いをされないよう、行動を見直す」と報告。
相手の“感情”に焦点をあてて丁寧に対応。
結果:
一時的に距離は空いたが、数ヶ月後に再び声がかかり関係が復活。
「冷静に対応してくれる営業」として評価されていたことが判明。
【例5】メール謝罪から信頼を回復した事例
クレーム内容:
急な仕様変更の連絡が遅れ、現場作業に影響。
「なんでもっと早く言ってくれなかったのか」とメールで強い抗議。
対応:
その日のうちに訪問できないことを伝えつつ、即メールで謝罪。
翌日、改めて訪問してお詫びし、社内での連携ミスを是正。
結果:
メール+訪問の“スピード感”が功を奏し、「しっかり対応してくれた」と評価。
以後は何かあっても“連絡さえあればOK”という関係に進化。
どの事例にも共通するのは、「自分ごととして動いた」こと。
たとえ自分のミスでなくても、誠意ある対応をすることで、クレームは**“信頼に変えるチャンス”**になります。
営業職としてのメンタルケアと心構え
ルート営業におけるクレーム対応は、精神的なダメージが大きい仕事でもあります。
特に、「自分は悪くないのに怒られる」「感情をぶつけられる」「誰も助けてくれない」…そんな場面が重なると、気づかぬうちに心がすり減っていきます。
「またクレーム来たらどうしよう…」「顔を合わせるのが憂うつだ」と感じ始めたら、黄色信号です。
ここでは、営業という仕事を続けていく上で欠かせない“心の守り方”と“前向きな捉え方”についてお話します。
「自分のせいじゃない」クレームで落ち込むとき
営業をやっていると、他人のミスの尻ぬぐいをする場面に何度も出くわします。
「事務の人の連絡ミス」「倉庫の出荷遅延」「上司の指示ミス」…
それなのに矢面に立つのは自分。「こっちは悪くないのに…」と感じて当然です。
そんなときに大事なのは、“感情を否定しない”こと。
「自分が弱いから落ち込むんだ」「営業向いてないのかも」なんて思わなくて大丈夫です。
落ち込みやすいときの対処法
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感情を書き出す
モヤモヤした気持ちは、紙に書いてみると少し冷静になれます。「なぜつらかったのか」「何が悔しかったのか」を言語化してみましょう。 -
信頼できる人に話す
社内の仲間、上司、外部の営業仲間など、少しだけでも吐き出すと楽になります。 -
「これはお客様の課題」と分けて考える
怒りや不満の“全責任”を自分で背負い込まないことが大切です。
「完璧な営業マン」なんてどこにもいません。
むしろ、ミスやクレーム対応を経験した人ほど、人としての深みが増すんです。
ストレスをためない営業の習慣とは?
営業職はとにかくストレスの多い仕事です。
毎日いろんな人に気を使い、気持ちを読んで動き、感情を押し殺すこともしばしば…。
だからこそ、ストレスを「ためない」「持ち越さない」習慣づくりが大切です。
ストレス軽減につながる習慣例
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クレーム対応後は5分間リセット時間をつくる
対応直後にメールを整理したり、深呼吸したり、軽くコーヒーを飲む時間を持つだけでも全然違います。 -
週1回は「感情の棚卸し」をする
「今週うれしかったこと」「イラッとしたこと」「頑張ったこと」などを振り返る習慣をつけると、自分のバランスが取りやすくなります。 -
“感情を抱きすぎない距離感”を保つ
お客様に誠実であることと、“感情に引っ張られすぎる”ことは別です。必要以上に引きずらない技術も大切。
「心がすり減る」より、「営業って奥が深いな」と思えるようになると、クレーム対応も少しだけ楽になりますよ。
社内で活かす!クレーム対応の共有と再発防止
クレーム対応をしたあと、「ふぅ、終わった…」と安心していませんか?
実はそこからが、本当の意味で“営業として価値を生む時間”です。
個人で処理して終わらせてしまうと、また同じようなトラブルが、別の誰かに起きてしまう可能性があります。
だからこそ、対応した内容や学びを社内で“財産”として共有することが大切です。
クレームは“会社全体の課題”と捉えて動くことが、あなた自身の評価にもつながっていきます。
社内報告と情報共有の重要性
ルート営業がクレーム対応を行ったとき、それを社内にどう伝えるかが大事です。
「ただの愚痴」や「言い訳報告」では意味がなく、事実と改善策を整理して共有することで、初めて価値ある情報になります。
報告時のポイント
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事実と感情を分けて記録
「○月○日、○○様より納期遅延に関するご指摘」など、客観的な時系列で整理します。 -
原因分析は“誰かのせい”にしない
個人批判ではなく、「仕組み」「連携」「手順」の視点で原因を言語化します。 -
共有先は“関係部署+将来関わる可能性のあるチーム”にも
経理・物流・CSなど、少しでも関係しそうなチームには情報共有しておくと、思わぬところで防波堤になります。
情報共有が“建設的”であればあるほど、チーム内での信頼も増し、
「この人、ただの営業じゃないな」と周囲の見る目が変わってきます。
再発防止策を作る際の注意点
クレームが起きた背景には、必ず“仕組み”や“流れ”に原因があります。
だからこそ、「気をつけます」「注意喚起します」だけではダメ。
具体的な再発防止策を設け、実行することが重要です。
再発防止策の作成フロー
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問題の構造を図解してみる
フロー図や箇条書きで、どこでミスが発生したのかを「見える化」します。 -
“やり方”を変えるか、“仕組み”を加える
チェック項目を増やす、メールのテンプレートを改善するなど、具体的なアクションに落とし込みます。 -
社内マニュアルやチェックリストに反映させる
個人対応で終わらせず、「次から誰でも同じ品質で対応できる」状態を目指します。
再発防止は、ただのお詫びや反省で終わらせず、
“未来の自分”と“チームの誰か”を助ける行動です。
クレーム対応を通じて、営業という仕事の“守り”と“攻め”の両方を強くしていきましょう。
ルート営業のクレーム対応、謝罪で終わらせないために大切なこと
・今回の記事では、ルート営業におけるクレーム対応の全体像について解説しました。
以下に要点をまとめます。
✅ 要点まとめ
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クレームの原因は「期待のズレ」や「情報共有不足」にあることが多い
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謝罪はゴールではなく、信頼回復への第一歩に過ぎない
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電話・メール・訪問の使い分けと、誠意のある対応が重要
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クレーム後のフォローアップが信頼を取り戻すカギになる
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事例を通じて、実際の対応法と信頼回復までのプロセスを学べる
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営業としての心のケアも、長く働くために不可欠
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社内での情報共有と再発防止策が、チーム全体の品質向上につながる
クレーム対応は一見ネガティブな業務に思えますが、
誠実な姿勢と行動次第で、むしろ信頼を深めるチャンスに変えることができます。
一つひとつの対応が、あなたの営業としての“ブランド価値”を高めていきます。
明日からの現場に、少しでもこの記事が役立てば嬉しいです!

