
営業のアポ取り電話は、何を話すかだけでなく、どの順番で伝えるかが大切なんです。受付で止まってしまう、担当者につながってもすぐ断られる……そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
実は、電話の目的は商品を詳しく説明することではありません。相手に「少し話を聞いてみよう」と思ってもらい、商談の時間を確保することですよ。この記事では、受付突破から日程調整まで使える例文と、成功率を高めるコツを紹介します。
営業のアポ取り電話に必要な基礎知識
電話の目的は商談の約束を取ること
アポ取り電話で意識したいのは、電話だけで契約を決めようとしないことです。限られた時間で商品の特徴をすべて話すより、「詳しく聞く価値がありそう」と感じてもらうほうが、次の段階につながりやすくなります。
基本の流れは、挨拶、担当者への取次依頼、自己紹介、用件の提示、メリットの説明、日程調整、確認とお礼です。順番を決めておくと、緊張していても話が脱線しにくいですよ。
受付には短く、担当者には具体的に
受付の方に長い説明をしても、担当者へつないでもらえるとは限りません。「どの会社の誰が、何の件で、誰に取り次いでほしいのか」を簡潔に伝えましょう。
たとえば、「株式会社〇〇の田中と申します。営業部の佐藤様に、業務効率化のご提案でお電話しました」といった形です。商品説明を始めるのではなく、取次に必要な情報だけを渡すイメージですね。
事前準備で電話の印象は変わる
電話の前には、相手企業の事業内容、担当部署、最近の取り組みなどを確認しておきます。公開情報から「この会社なら、こうした課題があるかもしれない」と仮説を立てておくと、話す内容に説得力が出ます。
候補日時も、あらかじめ複数用意しておきましょう。「いつがご都合よろしいですか」と丸投げするより、「〇日午後か、〇日午前はいかがでしょうか」と聞くほうが、相手も答えやすいものです。
営業のアポ取り電話で使える例文10選
受付突破から担当者への取次依頼
例文1:新規顧客への基本形
「突然のお電話失礼いたします。株式会社〇〇の田中と申します。営業部の佐藤様に、業務改善サービスの件でご相談があり、おつなぎいただけますでしょうか」
例文2:担当者名がわからない場合
「お忙しいところ恐れ入ります。株式会社〇〇の田中と申します。営業部で業務効率化をご担当されている方に、少しお伺いしたいことがございます。おつなぎいただけますか」
例文3:紹介を受けた場合
「株式会社〇〇の田中と申します。〇〇社の山本様からご紹介いただき、お電話いたしました。営業企画の佐藤様はいらっしゃいますでしょうか」
担当者につながった後の切り出し
例文4:短時間の面談を依頼する
「お世話になっております。株式会社〇〇の田中です。本日は、営業活動の効率化について、弊社サービスをご紹介したくご連絡しました。15分ほどオンラインでご説明する機会をいただけませんでしょうか」
例文5:課題を仮説として伝える
「突然のご連絡で恐縮ですが、御社の営業組織では、案件管理や対応漏れに関する課題はございませんか。近い業種で改善事例があり、参考情報として一度ご説明できればと思っております」
例文6:既存顧客への提案
「いつもお世話になっております。株式会社〇〇の田中です。以前ご利用いただいたサービスに新機能が追加されましたので、御社の活用方法も含めてご案内したく、お時間をいただければと思っております」
日程調整と電話の締め
例文7:候補日を提示する
「来週の火曜日午後、または木曜日の午前中で、15分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか」
例文8:候補日が合わない場合
「失礼いたしました。それでは、翌週の月曜日か水曜日はいかがでしょうか。ご都合に合わせて調整いたします」
例文9:オンライン商談を提案する
「ご訪問ではなくオンラインで結構ですので、〇日〇時から30分ほどお話しできればと思います。接続用URLは、確定後にメールでお送りします」
例文10:確定後の締め
「ありがとうございます。それでは〇月〇日〇時から、オンラインでお願いいたします。後ほど日時とURLをメールでお送りします。本日はお時間をいただき、ありがとうございました」
受付突破から商談につなげる成功のコツ
最初の30秒で要件を伝える
電話の冒頭で大切なのは、結論を先に伝えることです。「少しお聞きしたいことがありまして」と曖昧に始めると、相手は何の電話なのか判断できません。会社名、名前、用件、取次先を短くまとめてみましょう。
担当者につながった後も、説明を詰め込みすぎないことがポイントです。「誰の、どのような課題に、何を提供できるのか」を一文で示し、詳しい話は商談に残します。電話は予告編くらいで十分なんです。
相手にとってのメリットを具体化する
「弊社サービスをご紹介したい」という言い方だけでは、相手にとっての利点が見えません。「入力作業を減らせる」「問い合わせ対応を整理できる」など、得られる変化を伝えると、話を聞く理由が生まれます。
ただし、効果を断定しすぎるのは避けましょう。「同じ業種で活用例があります」「改善方法の一つとしてご紹介できます」と表現すると、押し売り感を抑えられます。相手の状況に合わせる余白も残しておきたいところです。
声の速さと時間帯にも気を配る
電話では表情が見えないため、声の印象がそのまま信頼感につながります。普段より少しゆっくり、語尾まで明瞭に話すだけでも、落ち着いた印象になりますよ。
始業直後、昼休みの直前、終業間際などは、相手が対応しにくい可能性があります。一般的には午前の中盤や午後の早い時間帯が候補になりますが、業界や企業によって事情は異なります。相手の営業時間や繁忙期も確認しておきましょう。
アポ取り電話を成功させる具体的な手順
ステップ1:企業情報とトークを準備する
まず、電話先の企業名、担当部署、担当者名、事業内容を整理します。さらに「なぜこの会社に連絡したのか」「どの課題に役立てそうか」を一言で説明できるようにしておきましょう。
台本は一字一句読むものではなく、話の道筋を確認するためのものです。受付用、担当者用、日程調整用の3パターンを用意し、断られたときの返答も一つか二つ準備しておくと安心です。
ステップ2:受付では取次に集中する
「恐れ入りますが、〇〇様はいらっしゃいますでしょうか」と丁寧に尋ね、担当者へつないでもらいます。受付で詳しい商品説明を求められた場合は、「営業部門の方に、〇〇に関するご提案でお電話しております」と簡潔に答えましょう。
担当者が不在なら、戻る時間を聞く方法もあります。「差し支えなければ、お戻りの時間帯を教えていただけますか」と確認し、必要であればこちらから改めて電話します。無理に伝言を迫らない姿勢も大切ですね。
ステップ3:候補日を出し、必ず復唱する
担当者と話せたら、許可を取ってから要件を伝えます。「今、1分ほどよろしいでしょうか」と聞くと、相手も心の準備ができます。そのうえでメリットを簡潔に説明し、具体的な候補日時を提示しましょう。
商談が決まったら、日時、方法、参加者、所要時間を復唱します。「〇日〇時から、オンラインで30分ですね」と確認し、後ほどメールでも送付してください。聞き間違いを防げるだけでなく、丁寧な会社という印象にもつながります。
アポ取り電話でよくある質問とまとめ
Q1.「忙しい」と言われたら、どう返せばよいですか?
無理に話を続けず、「失礼いたしました。ご都合のよい時間帯に改めてもよろしいでしょうか」と尋ねるのが基本です。「1分だけ」と食い下がるより、相手の都合を尊重したほうが、次の接点を作りやすくなります。
Q2.「必要ありません」と断られた場合は?
「承知しました。ちなみに、今後の参考情報として資料だけお送りしてもよろしいでしょうか」と、負担の少ない提案に切り替えられます。ただし、明確に拒否された場合は深追いせず、「お時間をいただき、ありがとうございました」と終えましょう。
Q3.電話で商品の詳細まで説明すべきですか?
基本的には、詳細を話しすぎないほうがよいでしょう。アポ取りの目的は商談の設定です。「どのような課題に役立つのか」「何分で説明できるのか」を伝え、詳しい内容は面談で説明する流れが自然です。
まとめ:相手の時間を尊重する電話が商談を生む
営業のアポ取り電話では、受付には短く、担当者には具体的に、そして日程は候補を出して進めることが基本です。例文をそのまま使うだけでなく、相手企業の状況に合わせて一言変えると、会話がぐっと自然になります。
最初から完璧に話そうとしなくても大丈夫です。まずはトークを短く整え、声の速さと要件の順番を意識するところから始めてみてください。

